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転職

まさかのリストラ

  • ureure
  • 2007-02-14

今から5年前の話です。
当時、私の勤めている会社に「倒産の噂」が流れました。
私も含め社員は浮き足立ちました。

それから1ヶ月が経過したある日、社長が全社員を呼び出し、ゆっくりと切り出しました。
「業績の悪化が著しく、現状を維持できない。申し訳ないが、リストラを行うことにした」
頭の中が真っ白になりました。
「リストラ」
ニュースや雑誌で騒がれているその言葉をまさか自分が聞くとは想像もしていませんでした。
社長は続けました。
「早期退職者を募ります。応募資格は限りません。全社員応募可能です。早期退職に応じてくれた方には退職金を1.5倍お支払いたします」

重苦しい空気が会議室を包みました。
誰も言葉を発しません。
そのまま自然解散。
私も動揺を隠して仕事を続けましたが、頭の中はパニック状態。

その日の夕方。
なじみの居酒屋はうちの会社の人たちで溢れました。
誰が誰に声を掛けたわけではありません。
みんな不安で、一人になりたくなかったのでしょう。
「どうする?」あちこちから聞こえてきました。
どうがんばっても楽しいお酒を飲む事はできませんでした。

そんなこんなで3日間、私なりに必死に考えました。
自分の人生について、仕事についてここまで真剣に悩んだ事は初めてです。
「次の仕事が見つかりそうなら応募しよう。」私はそう決めました。
インターネットの求人HPを中心に、慌しい転職活動が始まりました。
贅沢は言えません。脈がありそうなところには片っ端から直接電話をかけました。
転職理由が「リストラ」だと告げると、大抵のところは話を聞いてくれました。
ある面接官の話だと自己都合の退職者と違い、即戦力になる場合が多いため、転職市場では比較的人気なのだそうです。
必死の努力が報われ、私を拾ってくれる会社が見つかりました。
早期退職の募集から10日、本格的に転職活動を始めてからわずか7日目のこと。
周りからは奇跡的とまで言われる幸運でした。

あの時の「仕事を失う事の恐ろしさ」が今の私を支えています。
以前の私なら文句を言って投げ出していただろう仕事にも真剣に取り組んでいます。
心の底に「拾ってくれた事への感謝の思い」、それから「仕事がある事のありがたさ」が常にあるからです。
他人事だと思っていたリストラによって私はようやく本物のサラリーマンになれた気がします。
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